2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』

シンプルなストーリーで最後まで読ませる、最良のエンタメ小説だ。主人公は世間からズレている。災難と出会いが次々に訪れる。そして見事なエンディング。車谷長吉は生き恥を晒す私小説作家と言われるが、私はそう思わない。キャラクターやプロットを綿密に…

映画『みなさん、さようなら』

ただのコメディかと思ってたら、しっかりと練られたストーリーで楽しめた。濱田岳や他のキャストも個性を発揮している、いい映画だ。

谷崎潤一郎『春琴抄』

青空文庫に掲載されていたので読んでみた。芸の世界に生きる春琴と佐助の純愛。谷崎作品は官能的とか耽美的とか言われるが、脇目を振らずに進むストーリーは、直線的で、なかなかスポーティだ。というわけで体育会系に近いものを感じたが、例えばプロのアス…

車谷長吉『金輪際』

老年期に入ったと思われる作者の、過去や現在の話。すべて実話のように読めるが、実際どうなのかわからない。こういう小説なら昨今芥川賞を取っても文句なしと思うが、実際は直木賞作家だった。身を削って書かれた小説、とか言われるようだが、少しライトな…

恩田陸『夜のピクニック』

地方の進学校に通う高校三年生たちが、一昼夜歩くという伝統行事のなかで語り合い、少し成長する話。300ページを超える長編だが、会話が主体のためあっという間に読了した。ストーリーは単調で、似たような描写や説明の繰り返しも多いが、キャラクターの魅力…

METAFIVE

高橋幸宏の新バンドを毎日聴いている。ファンキーなYMO。若いバンドには真似できない凄みを感じる。