老年期に入ったと思われる作者の、過去や現在の話。すべて実話のように読めるが、実際どうなのかわからない。
こういう小説なら昨今
芥川賞を取っても文句なしと思うが、実際は
直木賞作家だった。
身を削って書かれた小説、とか言われるようだが、少しライトな感覚で読んだらどうか。オフビート感溢れるストーリーに流されていると、とても心地いい。
なぜそうなるのか理屈はよくわからないが、この本を読んでポジティブな気分になった。
車谷長吉の世界に浸って現実生活のバランスを崩すなんてことがあるとしたら、人生がもったいない。