村上春樹『職業としての小説家』

自身がどうして小説を書くようになったか、また、小説を書く方法について、驚くほど率直に説明されている。とにかく、目から鱗が落ちるような話がてんこ盛りだ。
「最適な手段で継続すること」は「才能」を超える。私ぐらいの、人生が途方もない長期戦であることを実感できる年齢の人なら、認めざるを得ない事実だろう。
そしてそれは、私たち、世の中のほとんどの凡人にとって、希望となる真理だ。
自分にとって何が最適か、各人がそれぞれ発見すれば、その先に道が開ける、ということを、この本は教えてくれる。