田山花袋『少女病』

リオ五輪からカープ優勝までの熱狂で、すっかり読書時間を奪われてしまっていた折、とんでもない怪作を読んでしまった。

会社の行き帰りの電車での美少女探しと、少女万歳の詩を作ることが快楽の、気持ち悪い中年男が主人公。こんな話を文学として成立させた当時のインパクトは、計り知れないものだったろう。

彼がいまこの時代に生きていれば、バッドエンドにはならなかったかもしれない。アイドルブームとメディアの発達で、楽しみはいくらでもあるし、追っかけている中年男も世に大勢いる。

で、言いたいのは「田山花袋は私だ」ということ。オリンピックの卓球女子団体に涙し、バトミントン美女に心奪われていた私は、主人公よりも一回り年上であり、彼にも増して気持ち悪いではないか。今年はチケット入手が難しかったため、カープ女子見たさにマツダスタジアムに行くことはなかったが。仕方ない、欅坂46の動画でも見るか。

大丈夫、現代は美少女崇拝が市民権を得ているから、気持ち悪くとも私は死なない。