後藤明生『挟み撃ち』

尻取りのように、記憶が行き当たりばったりに脱線していく。よくわからないが、これはジャズ音楽ではないのだろうか。決め事があるのかないのかわからない進行。心地良さと退屈さ、カッコつけてわかってるふりしてしまうところとか?
ゴーゴリというスタンダードを引用。
キメもある。小説内で不意に「挟み撃ち」というフレーズが出てくる瞬間。将棋の「挟むつもりが、挟まれた!」
そして、山川との出会いの記憶に回帰する終章。
読み終わって、ストーリーがよく思い出せない。途中で話がよくわからなくなったことも多々あった。
音楽は、聴いている間楽しむもので、エンディングを知りたくて聴いているのではない。この小説は音楽のようなものなんだろう。いつか読み返そう。