ドリアン助川『あん』

映画を観た後に原作を読了。重いテーマをさわやかに綴った小説だが、私には違和感のようなものが残った。人が生きる意味というものは、普遍的に定義されるものではなく、人それぞれが提示するものじゃないの?という違和感だろうか。
いうまでも無いが、この小説を否定するわけではない。
違和感を持ってしまう自分に、「じゃああなたの生きる意味は何なの?」と問われたら、さっと提示できる世界観を持ちたいと思う。残念ながら未だ持っていない。
小豆からあんを精製する描写は、映画同様素晴らしい。お酒に合う塩入りのどら焼きを食べたくなった。